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2023年度(第17回)上級医療情報技師能力検定試験(一次試験)
試験結果の概要

一般社団法人日本医療情報学会
医療情報技師育成部会

【試験の概要】

     試験日時:2023年8月20日(日)
     試験会場:札幌・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄
     試験内容・時間割:筆記試験(マークシートによる多肢選択方式および記述方式)および小論文試験
          午前  (マーク方式)      10時30分~11時30分(60分)
          午後Ⅰ (マーク方式・記述方式) 12時50分~14時20分(90分)
          午後Ⅱ (小論文方式)      15時00分~16時30分(90分)

     申込者数:153名
     受検者数:129名
     問 題 数 :午前   マーク方式  48問(マーク数  48) 配点 96点
          午後Ⅰ  マーク方式   8問(マーク数 13)    43点
               記述方式    7問(解答項目数 12)   53点
          午後Ⅱ  小論文方式   1問(800文字以上1,000文字以内)

     合否判定:午後Ⅱの答案は、午前、午後Ⅰ(マークシート試験、記述式試験)の判定基準を満たす
          ものを採点対象とし、試験結果の判定に示す観点から評価判定を行う。午前、午後Ⅰ、
          午後Ⅱの全ての試験の成績が、判定基準を上回ったものを一次試験の合格とする。

【判定基準】

〇 午前(マーク式)・午後Ⅰ(マーク式+記述式)
午前と午後Ⅰの得点がそれぞれ以下の基準得点以上であることを判定基準としました。判定基準をともに満たす者を午後Ⅱの採点対象としました。午前、午後Ⅰで判定基準に満たない場合は、午後Ⅱの採点は行っていません。
区分基準得点
午前58点
午後Ⅰ56点
〇 午後Ⅱ(小論文試験)
 午後Ⅱの小論文試験は、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容に対して自分の考えを記述する試験を行いました。小論文試験の採点は、下記の5つの観点から行いました。採点にあたっては、5名の採点者がそれぞれ小論文を読み、独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行いました。
①問題の指示に基づいて記述しているか。
②課題の全体像を正確にとらえているか。
③自身の見解が明確な論旨で述べられているか。
④わかりやすく、説得力のある記述になっているか。
⑤見解は上級医療情報技師として適切か。

【試験結果】

〇 午前・午後Ⅰ
 午前午後Ⅰ
受検者数129名127名
満点96点96点
最高点90点(93.8%)85点(88.5%)
最低点46点(47.9%)18点(18.8%)
中央値66点(68.8%)56点(58.3%)
平均値66.2点(69.0%)55.1点(57.4%)
標準偏差9.0点12.7点
判定基準を満たした者110名64名
午前と午後Ⅰの得点がともに判定基準を満たした者の数63名
〇午後Ⅱ
 受検者数採点対象者数判定基準を満たした者
午後Ⅱ126名63名30名

◯ 総合判定
午前、午後Ⅰ、午後Ⅱの全ての試験の成績が、判定基準を上回ったものを一次試験の合格とします。なお、午前、午後Ⅰの部分合格はありません。

受験者数:129名  合格者数:30名  合格率23.3%

【試験の講評】

    一次試験の問題は、マークシート方式と記述方式の問題(午前・午後Ⅰ)ならびに小論文形式の問題(午後Ⅱ)によって構成しました。午前・午後Ⅰの問題は、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系に限定せず、公表している「上級医療情報技師の一般目標及び行動目標群(GIO・SBOs)ver.1.4」から万遍なく出題しました。  午前の問題では、医療情報技師能力検定試験と同程度の基礎的な知識を確認する問題を中心に、上級医療情報技師が知っておくべき最近の動向に関する問題も出題しました。また午後Ⅰの問題では、マーク式の問題だけでなく、長文を読解し記述する問題を出題し、単なる想起型問題ではなく、解釈型や問題解決型を重視しました。午後Ⅱの問題では、提示された課題文を読み、そこで述べられている内容を解釈し、課題文に対する自分の考えを800文字以上、1,000文字以内で記述する試験を行いました。
     午前、午後Ⅰともに、医療情報の最新動向を問う問題では、厚生労働省標準規格や医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第6.0版)などの話題から出題しましたが、正答率は高くありませんでした。上級医療情報技師には、医療情報システムに関連する最新動向を把握し理解する能力が求められます。また、確率統計や臨床研究に関する問題は、いずれも正答率が高くありませんでした。データの利活用を推進する立場としては、統計分析についての基本的な理解が必要です。
     午後Ⅰの選択問題の問5では、プロジェクトマネジメントにおけるステークホルダマトリクスについて出題しましたが、正答率は高くありませんでした。上級医療情報技師は、医療現場の課題を論理的な思考に基づいて解決できる実践的な能力が必要とされるため、リーダーシップとマネジメントに関する知識や技術が求められます。また、記述問題の問9では、情報セキュリティの3要素について出題しましたが、診療録等の電子保存の三原則と混同した解答が目立ちました。一方、問15の標的型攻撃メールへの対応に関する問題は、高い正答率でした。上級医療情報技師は、今後ますます組織における情報セキュリティ対策を先導することが期待されています。
     午後Ⅱの問題では、医療DXの推進に関する課題文を読み、上級医療情報技師が貢献できることについて自分の考えを述べるものでした。答案の作成にあたっては、課題の趣旨を正確にとらえて問いに的確に答えること、また自らの考えを論理的にまとめて記述することが必要です。採点においては、広い視野で課題文をとらえているもの、具体的に自らの見解を述べているものは高い評価としました。一方、課題文の理解が不十分であるもの、自らの考えが述べられていないもの、論旨が不明瞭であるもの、課題には関係がない内容を記述したもの、あるいは課題文をまとめずそのまま記載したものは低い評価としました。また、文字数が不足しているもの、誤字・脱字があるもの、段落分けがないもの、そして論文の体裁が適切でないものは減点しました。
     午前の平均得点(得点率)は66.2点(69.0%)、午後Ⅰの平均得点は55.1点(57.4%)でした。午後Ⅱ(小論文)の採点は、午前58点(60.4%)以上、午後Ⅰ56点(58.3%)以上の方63名を対象に行いました。その結果、今回の一次試験の合格者数は30名、合格率は23.3%となりました。

【試験の結果】

一次試験合格者一覧 
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【試験解答】 午前解答
午後解答