上級医療情報技師能力検定試験

上級医療情報技師能力検定試験とは

 上級医療情報技師は「保健医療福祉の質と安全の向上のために、幅広い知識と豊かな経験を背景として、全体最適の観点から保健医療福祉分野の情報化と医療情報の利活用を総括的に推進できる医療情報技師」です。上級医療情報技師には、医療情報技師に求められる3C(Communication, Collaboration, Coordination)の資質に加えて、次のような能力が求められます。

  • 施設管理者層からの要求を引き出して、本質的な内容を理解し、現場の要求を考慮しつつ解決策を立案できる能力
  • 医療機関における情報システムのライフサイクル(企画、構築、運用、保守)を統括し、そのために必要となるチーム内・チーム間のマネジメントができる能力
  • 保健医療福祉分野におけるデータの管理と分析・利活用ができる能力
  • 論理的に物事を考え、その内容を適切に相手に伝えることができる能力
  • 情報処理技術を理解し、活用できる能力
  • 情報セキュリティについて理解し、対策を講じることができる能力
  • 保健医療福祉分野などに対する幅広い知識
  • ユーザ教育や人材育成を主導的な立場で実践できる能力

 上級医療情報技師能力検定試験は、1)情報戦略を立案し情報化を推進できる、2)医療情報のセキュリティ管理を主導できる、3)情報に基づいて業務改善を推進できる人材として必要な一定の知識・技術を有していることを試験によって評価するものです。また、実務経験があることが受検資格となっており、リーダーシップ、マネジメント能力、論理的思考を含む、実践的な能力を有する医療情報の専門家であることを認定します。医療情報部門で組織やプロジェクトの管理にあたる方や、医療情報技師からさらなる飛躍を目指す方に向けた試験です。

上級医療情報技師能力検定試験のご案内

 医療情報技師育成部会では、上級医療情報技師の定義ならびに上級医療情報技師の到達目標(GIO・SBOs)に掲げる能力を有する方を認定するため、上級医療情報技師能力検定試験を実施しています。なお、上級医療情報技師能力検定試験は、以下の受検資格を満たす必要があります。

受検資格

次の1、2のいずれをも満たすこととします。

  1. 医療情報技師の資格を有すること
  2. 次のA、Bのうち、いずれかを満たすこと
    • A.医療情報システムに関する5年以上の職務経験を有すること
    • B.情報システムに関する5年以上の職務経験を有し、かつ医療情報システムに関する職務経験(期間は問わない)を有すること ◇なお、「5年以上」とは、一次試験の実施日に5年以上を満たしていることとします。

一次試験

 上級医療情報技師能力検定試験の一次試験では、上級医療情報技師の定義ならびに上級医療情報技師の到達目標(GIO・SBOs)に基づき、午前試験・午後Ⅰ試験・午後Ⅱ試験を行います。

午前試験(マークシート方式による筆記試験)

上級医療情報技師の到達目標(GIO・SBOs)に掲げる内容のうち、基礎的な知識を確認します。

午後Ⅰ試験(マークシート方式・記述方式による筆記試験)

上級医療情報技師の到達目標(GIO・SBOs)に掲げる内容のうち、総合的な知識の確認を行います。

午後Ⅱ試験(小論文試験)

医療情報技師に求められる3C(Communication, Collaboration, Coordination)の資質のなかでも基本となる、自らの考えを文書により他者に伝える能力を確認します。

二次試験

医療情報に関する活動履歴書にもとづく個別面接試験

 上級医療情報技師能力検定試験の二次試験では、上級医療情報技師の定義ならびに上級医療情報技師の到達目標(GIO・SBOs)および医療情報技師に求められる3C(Communication, Collaboration, Coordination)の資質にもとづき、質問の意図を理解し、自らの考えを口頭により他者に伝える能力を確認します。あわせて、医療情報に関する活動履歴書により、上級医療情報技師を目指すための活動について確認します。