第16回一次試験結果

試験の概要

試験日
2022年8月21日(日)
試験会場
札幌・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・鹿児島・沖縄
試験内容・時間割

筆記試験(マークシートによる多肢選択方式および記述方式)および小論文試験

午前(マーク方式)
10時30分~11時30分(60分)
午後Ⅰ(マーク方式・記述方式)
12時50分~14時20分(90分)
午後Ⅱ(小論文方式)
15時00分~16時30分(90分)
申込者数
143名
受検者数
112名
問題数
午前
マーク方式 50問(マーク数 50) 配点 100点
午後Ⅰ
マーク方式 8問(マーク数 12)31点
記述方式 7問(解答項目数 15)64点
午後Ⅱ
小論文方式 1問 (800文字以上1,000文字以内)
合否判定
午後Ⅱの答案は、午前、午後Ⅰ(マークシート試験、記述式試験)の判定基準を満たすものを採点対象とし、試験結果の判定に示す観点から評価判定を行う。午前、午後Ⅰ、午後Ⅱの全ての試験の成績が、判定基準を上回ったものを一次試験の合格とする。

試験結果概要

午前・午後Ⅰ

午前 午後Ⅰ
受検者数 112名 112名
満点 100点 95点
最高点 90点(90.0%) 86点(90.5%)
最低点 48点(48.0%) 16点(16.8%)
中央値 71点(71.0%) 54点(56.8%)
平均値 70.6点(70.6%) 53.9点(56.8%)
標準偏差 9.4点 12.5点

午後Ⅱ

午後Ⅱ
受検者数 110名
採点対象者数 59名

判定基準

午前(マーク式)・午後Ⅰ(マーク式+記述式)

午前と午後Ⅰの得点がともに基準得点以上であることを判定基準として、午後Ⅱの採点対象を決定しました。したがって、午前、午後Ⅰで判定基準に満たない場合は、午後Ⅱの採点は行っていません。

区分 受検者数 基準得点 得点率 基準得点以上の割合
午前 112名 60点以上 60.0%以上 86.6%
午後I 112名 54点以上 56.8%以上 53.6%

午後Ⅱ(小論文試験)

午後Ⅱの小論文試験は、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容に対して自分の考えを記述する試験を行いました。小論文試験の採点は、下記の5つの観点から行いました。採点にあたっては、5名の採点者が独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行いました。

  1. 問題の指示に基づいて記述しているか。
  2. 課題の全体像を正確にとらえているか。
  3. 自身の見解が明確な論旨で述べられているか。
  4. わかりやすく、説得力のある記述になっているか。
  5. 見解は上級医療情報技師として適切か。

区分 受検者数 採点対象者数 基準得点以上の人数
午後Ⅱ 110名 59名 25名

総合判定

午前、午後Ⅰ、午後Ⅱの全ての試験の成績が、判定基準を上回ったものを一次試験の合格とします。なお、午前、午後Ⅰの部分合格はありません。

受験者数
112
合格者数
25
合格率
22.3%

評価方法

2023年度上級医療情報技師能力検定試験の二次試験では、面接試験によって評価を行い、合否を判定しました。
面接試験は、1名の受検者に対して3名の面接員が面接を行い、下記の5つの観点から評価を行いました。評価にあたっては、3名の面接員が独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行いました。

  1. 医療情報に関する活動履歴書に記載された内容から、期待する実務経験を有しているか。
  2. 分析力・問題解決力・調整力・統率力・協調性など、いわゆる現場での実務能力はあるか。
  3. 面接での質問の意味や意図を的確に理解し、自分の考えや意見を明確に表現できるか。コミュニケーション力やプレゼンテーション力はあるか。
  4. 上級医療情報技師となった後の目標、所属組織や社会への貢献、医療や医療情報などの分野における将来展望など、将来目標や将来展望(ビジョン)を説明できるか。
  5. 面接態度は適切か。

講評

今回の一次試験の問題は、マークシート方式と記述方式の問題(午前・午後Ⅰ)ならびに小論文形式の問題(午後Ⅱ)によって構成しました。午前・午後Ⅰの問題は、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系に限定せず、公表している「上級医療情報技師の一般目標及び行動目標群(GIO・SBOs)ver.1.2」から万遍なく出題しました。

午前の問題では、医療情報技師能力検定試験と同程度の基礎的な知識を確認する問題を中心に上級医療情報技師に必要な最近の動向に関する問題も出題しました。また午後Ⅰの問題では、マーク式の問題だけでなく、長文を読解し記述する問題を出題し、単なる想起型問題よりは、解釈型や問題解決型を増やすように努めました。午後Ⅱの問題では、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容を解釈し、課題文に対する自分の考えを800文字以上、1,000文字以内で記述する試験を行いました。

午後Ⅰの選択問題の問2は、個人情報保護法の令和2年改正で新たに創設された「仮名加工情報」について問うものでした。同様に問4は、FHIRにおけるリソース定義について問うものでした。いずれも最新動向を把握し理解していることを期待して出題したものですが、正答率は高くありませんでした。上級医療情報技師には、医療情報システムに関連する最新動向を把握し理解する能力が求められます。また、記述問題の問9では、診療録等の電子保存の3基準について出題しましたが、情報セキュリティの3要素と混同した解答が目立ちました。電子保存の3基準は医療情報システムを扱う者として正確な理解が求められます。医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを今一度確認しておいてください。さらに、問15の「地域医療情報連携ネットワークにおける同意取得方法の例について」の設問は、厚生労働省の事務連絡の内容に沿って同意取得に関する具体的な方法を述べたものを正答としました。一方で解答が不十分なものについては減点の対象としました。上級医療情報技師は、日々の業務の中で、種々の課題から問題点を読み解き、具体的な解決を図る能力が必要となります。次年度以降も同様な問題を出題する予定です。

さらに、午後Ⅱの問題では、日本における医療データの現状と課題に関する課題文を読み、診療情報共有を進めるために考慮すべきことについて自身の考えを述べるものでした。答案の作成にあたっては、課題の趣旨を正確にとらえて問いに的確に答えること、また、自らの考えを論理的にまとめて記述する必要があります。そのため、課題文の理解が不十分なもの、自らの考えが述べられていないもの、論旨が不明瞭なもの、指定の文字数で書かれていても課題には関係が薄い内容を記述したもの、あるいは課題文をまとめずそのまま記載したものは低い評価としました。また、文字数が不足しているもの、誤字・脱字があるもの、そして論文の体裁が適切でないものは減点の対象としました。

午前の平均得点(得点率)は70.6点(70.6%)、午後Ⅰの平均得点は53.9点(56.8%)でした。午後Ⅱは、午前60点(60.0%)以上、午後Ⅰ54点(56.8%)以上の方59名を対象として採点しました。その結果、今回の一次試験の合格者数は25名、合格率は22.3%となりました。

合格者の発表

  • M100005
  • M200002
  • M300002
  • M300007
  • M300014
  • M300015
  • M300020
  • M300025
  • M300027
  • M300029
  • M300033
  • M500009
  • M600001
  • M600003
  • M600006
  • M600015
  • M600020
  • M600037
  • M600042
  • M650004
  • M700001
  • M800003
  • M800005
  • M800009
  • M800012

試験解答