第18回一次試験結果

試験の概要

試験日
2024年8月25日(日)
試験会場
札幌・仙台・東京・新潟・金沢・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・鹿児島・那覇
試験内容・時間割

筆記試験(マークシートによる多肢選択方式および記述方式)および小論文試験

午前(マーク方式)
10時30分~11時30分(60分)
午後Ⅰ(マーク方式・記述方式)
12時50分~14時20分(90分)
午後Ⅱ(小論文方式)
15時00分~16時30分(90分)
申込者数
142名
受検者数
116名
問題数
午前
マーク方式 50問(マーク数 50) 配点 100点
午後Ⅰ
マーク方式 7問(マーク数 12) 配点 42点
記述方式 6問(解答項目数 14) 配点 58点
午後Ⅱ
小論文方式 1問(800文字以上1,000文字以内)
合否判定
 午後Ⅱの試験は、午前、午後Ⅰ(マークシート試験、記述式試験)の判定基準をともに満たす者を採点対象とし、判定基準に示す観点から評価判定を行う。午前、午後Ⅰ、午後Ⅱのすべての試験の成績が、判定基準を満たした者を一次試験の合格とする。

試験の講評

 一次試験の問題は、マーク方式と記述方式の問題(午前・午後Ⅰ)ならびに小論文方式の問題(午後Ⅱ)によって構成しました。午前・午後Ⅰの問題は、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の3系に限定せず、公表している「上級医療情報技師の一般目標及び行動目標群(GIO・SBOs)ver.1.5」から万遍なく出題しました。

 午前の問題では、医療情報技師能力検定試験と同程度の基礎的な知識を確認する問題を中心に、上級医療情報技師が知っておくべき最近の動向に関する問題も出題しました。また、午後Ⅰの問題では、多岐選択方式の問題だけでなく、長文を読解し、記述する問題を出題し、単なる想起型ではなく、解釈型や問題解決型を重視しました。午後Ⅱの問題では、提示された課題文を読み、そこで述べられている内容を解釈し、課題文に対する自分の考えを800文字以上、1,000文字以内で記述する試験を行いました。

 午前、午後Ⅰともに、医療情報の最新動向を問う問題では、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第6.0版)からセキュリティに関する内容などを出題しましたが、正答率は高くありませんでした。上級医療情報技師には、医療情報システムに関連する最新動向を把握し、理解する能力が求められます。また、医学・医療統計や臨床研究に関する問題は、いずれも正答率が高くありませんでした。同種の問題は過去にも出題しており、正しく理解することが求められます。上級医療情報技師には、保健医療福祉分野におけるデータの管理と分析・利活用を推進する役割が期待されています。

 午後Ⅰの記述問題の問11では、一般的なランサムウェア攻撃の流れと被害防止対策について出題しました。攻撃手法によって有効な対策が異なるため、正しい理解のもと対策を示すことが必要です。また、問12のPKI関連技術に関する問題では、PKIにおける署名の手順を問う小問の正答率が高くありませんでした。電子処方箋でのHPKI活用も見据えて、通信技術への正しい理解が必要となります。上級医療情報技師には、医療機関において医療の情報化やセキュリティ対策を牽引する役割が期待されています。

 午後Ⅱの問題では、医療DXの推進に関する課題文を読み、そのためにどのようなことが必要であるかについて自分の考えを述べるものでした。答案の作成にあたっては、課題文の趣旨を正確にとらえて、問いに的確に答えること、自らの考えを論理的にまとめて記述することが必要です。採点においては、広い視野で課題の全体像をとらえているもの、具体的に自らの見解を述べているものを高い評価としました。一方、課題文の理解が不十分であるもの、自らの考えが述べられていないもの、論旨が不明瞭であるもの、課題には関係がない内容を記述したもの、あるいは課題文をまとめずそのまま記載したものは低い評価としました。また、論文の体裁が適切でないもの、文字数が不足しているもの、誤字・脱字があるもの、段落分けがないものなどは減点しました。

 午前の平均得点(得点率)は68.9点(68.9%)、午後Ⅰの平均得点は57.4点(57.4%)でした。午後Ⅱの採点は、午前60点(60.0%)以上かつ午後Ⅰ57点(57.0%)以上の方57名を対象に行いました。その結果、今回の一次試験の合格者数は28名、合格率は24.1%となりました。

判定基準

午前(マーク方式)・午後Ⅰ(マーク方式+記述方式)

 午前と午後Ⅰの得点がそれぞれ以下の基準得点以上であることを判定基準としました。判定基準をともに満たす者を午後Ⅱの採点対象とした。午前、午後Ⅰで判定基準に満たない場合は、午後Ⅱの採点は行っていない。

区分 基準得点
午前 60点
午後Ⅰ 57点

午後Ⅱ(小論文試験)

 午後Ⅱの小論文試験は、提示された課題文を読んで、課題文で述べられている内容について自分の考えを記述するものである。小論文試験の採点は、下記の5つの観点から行った。採点にあたっては、5名の採点者がそれぞれ小論文を読み、独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行った。

  1. 問題の指示に基づいて記述しているか。
  2. 課題の全体像を正確にとらえているか。
  3. 自身の見解が明確な論旨で述べられているか。
  4. わかりやすく、説得力のある記述になっているか。
  5. 見解は上級医療情報技師として適切か。

試験結果

午前・午後Ⅰ

午前 午後Ⅰ
受検者数 116名 115名
満点 100点 100点
最高点 94点(94.0%) 81点(81.0%)
最低点 28点(28.0%) 30点(30.0%)
中央値 69点(69.0%) 57点(57.0%)
平均値 68.9点(68.9%) 57.4点(57.4%)
標準偏差 11.6点 12.3点
判定基準を満たした者 94名 61名
午前と午後Ⅰの得点がともに判定基準を満たした者の数 57名

午後Ⅱ

受検者数 採点対象者数 判定基準を満たした者
午後Ⅱ 114名 57名 28名

総合判定

 午前、午後Ⅰ、午後Ⅱのすべての試験の成績が、判定基準を満たした者を一次試験の合格とした。なお、午前、午後Ⅰの部分合格はない。

受験者数
116
合格者数
28
合格率
24.1%

一次試験合格者一覧

  • M100002
  • M100006
  • M300012
  • M300014
  • M300015
  • M300024
  • M300027
  • M300029
  • M300030
  • M300033
  • M300035
  • M300037
  • M300039
  • M300040
  • M300042
  • M320004
  • M400003
  • M500014
  • M600013
  • M600016
  • M600019
  • M600021
  • M600029
  • M600030
  • M650005
  • M700004
  • M710001
  • M800001

試験解答