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医療情報技師育成部会とは
日本医療情報学会医療情報技師育成部会は、医療情報に関する専門職の育成を目的とした組織です。医療情報基盤の整備からデータの利活用までを担える「医療情報のプロフェッショナル」の育成を掲げ、医療情報技師と上級医療情報技師の資格認定を行っています。医療情報技師育成部会の主な活動は、医療情報技師と上級医療情報技師の到達目標の策定、各種の検定試験の実施、教科書の発刊、生涯研修セミナーやe-Learningの企画・実施などです。
誰のための試験・資格
医療・ヘルスケアの領域の情報システムを企画開発・導入構築・運用管理をする方を対象にした試験・資格です。
主な対象は、医療機関のシステム担当者(医療従事者・事務職員)、医療情報システムや医療機器を取り扱うベンダー(メーカー)の技術職・営業職、医療情報・診療情報の管理について学ぶ学生(大学生・専門学校生)の方々などです。
医療情報技師能力検定試験の合格者数は約2万7千名*にのぼり、合格者は病院やIT企業などで活躍しています。
(*2023年度までの医療情報技師の累積合格者数26,955名)
- 医療情報技師数
-
26,955名
2024年8月現在
どういう仕事に必要な資格
医療情報システムの導入や運用、またこれからの時代に重要になる医療分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)のための情報基盤づくりやサイバーセキュリティ対策のために有用な資格です。
医療従事者とシステムエンジニアが病院等で医療情報システムに関する議論をするには、「医学・医療」「情報処理技術」「医療情報システム」から成る3つの領域の知識・技術、および「communication」「coordination」「collaboration」の3Cの資質を共通にもっておくことが必要であると私たちは考えています。
また、医療情報システムの運用においては、厚生労働省が示している医療情報システムの安全管理に関するガイドラインなどの法令を正しく理解、適用することが求められます。
医療情報技師は、これらの能力を有することを証明する資格です。
- 医学・医療
- 情報処理技術
- 医療情報システム
- communication
- coordination
- collaboration
医療機関や企業の経営者が医療情報技師の資格取得を推奨し、雇用を促進するメリット
現在、医療分野では医師の働き方改革や蓄積された診療情報の利活用などが課題となり、また、DXやサイバーセキュリティへの対応が注目を浴びています。その一方で、これらの経営課題に対応するための人材が医療機関に不足していることが指摘されています。
医療機関が職員に医療情報技師の資格取得を促すことや、あるいは資格を有する人材を獲得することにより、情報処理技術を上手に活用して経営課題に取り組めることが期待できます。また、IT関係企業にとっても医療機関が企業に寄せる要求や期待を十分に理解することができるようになり、パートナーとして円滑なやりとりが図れるようになることが期待できます。
医療情報基礎知識検定試験、医療情報技師能力検定試験・上級医療情報技師能力検定試験の違い
医療情報基礎知識検定試験
医療情報基礎知識検定試験は、医療従事者や事務職員など(これらの職業を目指す学生を含む)を主な対象にしており、IPAのITパスポート試験のように、医療情報システムを利用するために必要な基礎知識を検定する試験です。
医療情報技師能力検定試験・上級医療情報技師能力検定試験
医療情報技師能力検定試験・上級医療情報技師能力検定試験は、医療情報システムの企画開発・導入構築・運用管理をする方を対象とした試験であり、「医療情報の専門職」としての知識・技術を検定する試験です。
医療情報技師能力検定試験は、医学・医療・情報処理技術・医療情報システムから成る 3つの領域を試験科目とする試験で、マークシート方式の筆記試験を実施しています。医療情報に関する経験がなくても受検が可能で、通学せず、自宅で学習できます。
上級医療情報技師能力検定試験は、医療情報の専門職のなかでもリーダー・マネージャになるような方を対象にした試験で、幅広い知識と豊かな経験を筆記試験・小論文試験・面接試験によって検定する試験となっています。こちらは受検資格として、医療情報システムに関する実務経験を有することを求めています。