病院機能評価の評価要件に「医療情報技師の配置が望ましい」ことの明記


病院機能評価の評価要件に「医療情報技師の配置が望ましい」ことが明記されました
 財団法人日本医療機能評価機構が実施している病院機能評価では、平成21年7月より、現行の評価に適用されているバージョン5.0に代えて、バージョン6.0の評価項目体系が適用されます。平成21年3月30日に、この評価体系が公表されましたが、バージョン6.0では、新たな評価項目がいくつか追加されました。
 この新たに追加された評価項目のひとつに「情報システム管理機能」があります。「情報システム管理機能」では、オーダエントリシステムや電子カルテシステムなどの情報システムの機能および情報システムを管理する機能が評価されますが、そのなかで「情報システム管理に必要な人員が適切に配置されている」かが評価されることになり、「情報技術に加えて医学・医療分野の知識、病院の各部門の働きや運用に関する知識を身につけた医療情報技師や、これに準じる担当者の配置」が望ましいとされています。
以下に、「病院機能評価統合版評価項目 V6.0 解説集」の該当部分を抜粋して示します。

「4.16.1.1 情報システム管理に必要な人員が適切に配置されている」
〔評価の考え方〕
 情報システム管理に必要な人員は、当該病院が情報システムをどのように活用しているかに応じて評価する必要がある。たとえば、院内には情報部門がなく、診療現場からの要望への対応のための外注費用が多大となっているような状況では、情報システム管理のための人的体制が適切であるとは言えない。また、医事会計システムのみを専用システムとして導入していても、院内には情報システムの担当者が配置されておらず、全てがベンダー任せとなっているため、情報システムの機能範囲やさらなる活用の可能性などについて、院内ではまったく検討する体制がないような状況も適切とはいえない。
 さらに情報システムの活用が、診療の質や安全、診療効率の評価へと拡大されている今日、このような機能の充実を図ることも視野に入れて、人的体制の適切性を評価する必要がある。病院における情報システムは、取り扱われる情報が専門的であるために、情報技術のみに長じた職員では適切な管理が困難な場合がある。情報技術に加えて医学・医療分野の知識、病院の各部門の働きや運用に関する知識を身につけた医療情報技師や、これに準じる担当者の配置が期待される。