2023年度 第21回医療情報技師能力検定試験の結果概要
I.医療情報技師能力検定試験実施状況
1. 日程:2023年(令和5)8月20日(日)時間帯 | 試験種別 | 問題数 |
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10:30~11:30 | 情報処理技術 | 50問 |
13:00~14:30 | 医療情報システム | 60問 |
15:30~16:30 | 医学・医療 | 50問 |
13会場、受検者総数 計 3,170名 (2022年度 4,010名)
地区 | 会 場 | 申込者数 | 出席者数 | 欠席者数 | 科目別受検者数 | ||
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情報処理技術 | 医療情報 システム |
医学医療 | |||||
北海道 | 北海道情報大学 | 121 | 111 | 10 | 94 | 95 | 95 |
宮城県 | 東北大学星陵キャンパス艮陵会館 | 133 | 119 | 14 | 99 | 94 | 97 |
東京都 | TKP市ヶ谷カンファレンスセンター | 1,422 | 1,218 | 204 | 973 | 987 | 1,014 |
新潟県 | 新潟ユニゾンプラザ | 47 | 41 | 6 | 33 | 32 | 36 |
石川県 | 石川県地場産業振興センター新館 | 73 | 68 | 5 | 49 | 49 | 61 |
愛知県 | 名城大学ナゴヤドーム前キャンパス南館 | 307 | 272 | 35 | 210 | 202 | 228 |
大阪府 | TKPガーデンシティ大阪梅田 | 852 | 738 | 114 | 616 | 596 | 618 |
岡山県 | おかやま西川原プラザ | 102 | 87 | 15 | 68 | 69 | 72 |
広島県 | 広島県JAビル貸会場 | 106 | 93 | 13 | 84 | 80 | 79 |
香川県 | かがわ国際会議場 | 81 | 69 | 12 | 53 | 54 | 58 |
福岡県 | 九州大学病院キャンパス内 | 294 | 265 | 29 | 219 | 209 | 215 |
鹿児島県 | ホテル自治会館 | 73 | 61 | 12 | 52 | 58 | 47 |
沖縄県 | KBC学園国際電子ビジネス専門学校 | 35 | 28 | 7 | 21 | 19 | 22 |
合計 | 3,646 | 3,170 | 476 | 2,571 | 2,544 | 2,642 |
II.医療情報技師能力検定試験 合否判定について
1. 合否判定基準および科目合格者数試 験 科 目 | |||
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情報処理技術 | 医療情報システム | 医学・医療 | |
合格判定基準 | 66点以上(100点満点) | 66点以上(120点満点) | 50点以上(100点満点) |
平均点(得点率) | 64.3(64.3%) | 65.2(54.3%) | 49.97(49.97%) |
科目別合格者数 | 1,321 | 1,367 | 1,344 |
合格者数 計 1,153 名 合格率 36.4 %
内 訳 | 受検者数 | 合格者数 | 合格率 |
3科目受検者 | 2,090 | 625 | 29.9% |
一部科目受検者(科目合格者) | 1,080 | 528 | 48.9% |
講評
第21回医療情報技師能力検定試験は、前年度と同じ全国13会場で実施し、受検者数は計3,170名でした。出題問題については、医学・医療系の【問14】で、主文の「オンライン診療として認められている」を「オンライン診療の適切な実施に関する指針」で適用されているもの、と広く解釈することもでき、「オンライン受診勧奨」も含めると正解が一つに定まりません。主文の解釈が曖昧であることから問題として不適切であると判断し、受検者全員を正解としました。
また、情報処理技術系の【問46】で選択肢の番号が、1)、2)、3)、3)、5)と誤植があり、医学・医療系の【問47】で図の縦軸の表記が読み取りにくい印刷となっていました。これらの2問については、いずれも試験委員会で検討しましたが、正解選択肢に影響がないことから、通常の配点により採点を行いました。今後の試験では、このようなミスが発生しないように、試験問題作成のチェック体制の見直しを行っていきます。
各科目の合格判定基準点は、「情報処理技術系」66点(100点満点)以上、「医療情報システム系」66点(120点満点)以上、「医学・医療系」50点(100点満点)以上としました。
全体の合格率は36.4%と、例年と同程度の水準となり、全体の得点率も55.5%と想定水準の60%に近かった半面、特に医学・医療系の平均点が50点を下回ったことから、問題そのものの難易度が少し高かったようです。
正答率が低かった問題のテーマは、次のとおりです。「情報処理技術系」では、システム開発におけるテスト、タスク処理順序の関係グラフ、近距離通信規格など、「医療情報システム系」では、看護業務支援システム、生理機能検査部門システム、輸血検査、GS1(医療材料管理)、システム間連携の仕様、電子処方箋、DICOM、データ分析、病院経営分析などです。「医学・医療系」では、医学研究に係る倫理、医療機関の指導・監査、オンライン診療、パス(アウトカム)、循環器治療、看護必要度、検査のカットオフ値、IVR、PICO(PECO)などです。
全体的に、新しいルールや手続き、いわゆる“時事問題”について正答率が低い傾向が見られました。特に、オンライン資格確認やサプライチェーンリスクなど、新しい技術や課題の把握も医療情報技師に求められる能力の一つとなっています。また、それぞれが単一領域に限らず複合的に対応する必要があります。
今回の能力検定試験の結果、医療情報技師と認定された方は、自覚と自信を持って、日常業務のなかで専門性を発揮されるよう願っています。同時に、将来、上級医療情報技師にチャレンジしていただけることを期待しています。
一方、保留となられた方、またこれから新たに受検される方は、時事問題についても情報収集を欠かさず、十分な知識を身につけていただきたいと思います。次回の医療情報技師能力検定試験で合格されることを願っています。
【認定者・科目合格者一覧】




科目別合格者 | 情報処理技術系 | 医療情報システム系 | 医学・医療系 |
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科目別解答 | 情報処理技術 解答 |
医療情報システム 解答 |
医学・医療 解答 |