今回の一次試験の問題は、これまでと同様に、マークシート方式と記述方式の問題によって構成しました。問題は、公表している重点領域から、医学・医療系、情報処理技術系、医療情報システム系の各・ェ野から万遍なく出題しました。問題数は、前年度とほぼ同数としました。
本年度の午後の記述問題では、はじめての試みとして、10文字以内で記述する以下のような問題を出題しました。
問題 病院の診療業務で発生するデータの種類や形態はさまざまである。医療情報技師は情報の管理・活用に果たす役割が大きく、データの扱いに留意する必要がある。臨床研究を行う場合、データの分析や評価に影響を及ぼす問題にはどのようなものがあるか。重要と思うものを3つあげよ。解答はそれぞれ10文字以内で記入せよ。
解答としては、「ばらつきがある」、「欠損値が多い」、「曖昧である」、「粒度が異なる」などを想定していました。実際には、統計処理手法に係るデータ収集方法やバイアスのこと、あるいは個人情報の保護や電子保存の3基準など、様々な解答がありました。この問題の正答率は約30%でした。単に用語を答える問題に比べて実力がより反映するものと考え、次年度以降もこのような問題を出題する方針です。
問題の難易度については、合格ラインが約60点(100点満点換算)となるように毎年努力してきましたが、試験結果から判断すると、今年度は、ほぼその水準に達したと考えています。
なお、今回の一次試験では、午前の問題のなかにいくつか不適切なものがあったため、次のように処理しました。
- 問題31のマーク番号52は、正解が複数あったため、いずれも正解としました。
- 問題35は、正解を2つ選ぶ問題でしたが、正解が3つあったため、全員を正解としました。
- 問題39は、問題文の中に誤答を誘導するような記述があったため、全員を正解としました。
- 問題42は、正解を1つ選ぶ問題でしたが、正解が2つあったため、いずれも正解としました。
医療情報技師育成部会では、今年度の一次試験の合格ライン(100点満点換算)は、合計点で59.5点以上、かつ、午前の成績が50点以上、午後の成績が40点以上として合否判定を行いました。その結果、今回の一次試験の合格者数は69名、合格率は31.4%となりました。
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