2017年度(第11回)上級医療情報技師能力検定試験
二次試験結果の概要と講評

1.試験の概要

    試験日時:2017年12月2日(土)・3日(日)
    試験会場:東京(東京医療保健大学 五反田キャンパス)
    試験内容:
     • 論文試験 面接時の参考・評価資料とする論文1(試験時間60分)
      論文試験として採点を行う論文2(試験時間120分)の2種類
     • 面接試験 受検者1名を3名の面接員で面接(1名あたりの面接時間20分)

2.受検状況

   受検者数:論文試験・・・105名、面接試験・・・104名

3.試験結果概要


  2015年度
一次試験合格者
2016年度
一次試験合格者
2017年度
一次試験合格者
二次試験受検者数
30名
32名
43名
105名
二次試験合格者数
6名
6名
7名
19名
二次試験合格率
20.0%
18.8%
16.3%
18.1%

4.評価方法

 2017年度の上級医療情報技師能力検定試験(二次試験)は、これまでの二次試験と同様に、論文試験と面接試験を行い、合否を判定しました。
 論文試験(論文2)については、提示された課題文に対して、課題文で述べられている内容の説明や、課題文に対する自分の考えを1,200字以上1,500字以内で記述する試験を行いました。論文試験の採点は、
    ①課題の趣旨を正確にとらえ、設問に適切に答えているか。
    ②医療情報技師の立場から自分の意見を論じているか。
    ③論旨は明確でよく構成されているか。
    ④適切な文章が書けているか。
の4つの観点から行いました。採点にあたっては、5名の採点者が読んで独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行いました。

 面接試験については、1名の受検者に対して3名の面接員が面接を行い、
    ①職務経歴書に記載された内容に応じた実務経験を有しているか。
    ②分析力・問題解決力・調整力・統率力・協調性など、いわゆる現場での実務能力はあるか。
    ③面接での質問の意味や意図を的確に理解し、自分の考えや意見を明確に表現できる、コミュニケーション力やプレゼンテーション力はあるか。
    ④上級医療情報技師となった後の目標、所属組織や社会への貢献、医療や医療情報などの分野における将来展望など、将来目標や将来展望(ビジョン)を説明できるか。
    ⑤面接態度は適切か。
の5つの観点から評価を行いました。採点にあたっては、3名の面接員が独立して評価し、合議のうえ最終的な評価を行いました。
 その後、論文試験の評価と面接試験の評価のいずれもが、合格水準に到達しているかどうかによって二次試験の合否を判定しました。

5.講評

 今回の論文試験(論文2)の問題は、医療情報システムのセキュリティに関する注意喚起について述べられた課題文を読み、1)医療情報の特徴を踏まえた、医療情報システムに対する標的型攻撃の脅威と攻撃を受けた場合の影響、2)組織マネジメントの観点から必要と思われる具体的対策とその根拠、の2つの設問に答えるものでした。上級医療情報技師には、医療機関における情報システムの運用を統括し、そのために必要となるチーム内・チーム間のマネジメントができる能力、医療情報の特徴を理解し、種々データの機微性の違いに基づいてデータを適切に取り扱うことができる能力、さらに情報セキュリティについて理解し、対策を講じることができる能力が求められています。
 答案の作成にあたっては、課題の趣旨を正確にとらえて2つの課題に的確に答えること、また、自らの考えを論理的にまとめて記述していることが必要です。そのため、2つの課題に答えていないもの、制限内の文字数で書かれていても課題には関係がない内容を記述したもの、あるいは関連が薄い内容を記述したものは低い評価となりました。また、文字数が不足しているもの、誤字・脱字があるもの、そして段落分けされていないものなど、読み手に対して丁寧に書かれていないものは、減点の対象となりました。
 また、論文1は、これまでの自らの実務経験を踏まえて、課題に対する答えをスライド形式2枚にまとめるものでした。この答案は、面接試験の素材となるものですので、わかりやすく、説得力を持って伝えられるように記述することが重要です。したがって、図解することや簡潔にポイントを箇条書きすることなどの工夫が必要であり、スライド枠内に長々と文章を書くことは避けることが大切です。
 医療情報技師育成部会では、保健医療福祉分野の情報化と医療情報の利活用を全体最適の観点から総括的に推進できる人を上級医療情報技師として認定しています。上級医療情報技師能力検定試験は、特定分野の職務経験しかない方、医療現場の実務経験が十分でない方には厳しいかも知れません。しかしながら、これらの方であっても、保健医療分野の動向、医療情報や医療情報システムについての知識、実務能力、将来展望をもっておられれば合格は可能です。今後受検される方は、いま以上に幅広い視野と豊かな経験をもてるように研鑽を積んでいただき、合格されることを期待しています。

 なお、2018年度より上級医療情報技師能力検定試験を改定し新試験制度とします。2017年度までの旧試験制度で一次試験を合格した方に対しては、旧試験制度の二次試験(論文1、論文2、面接)を実施いたします。お申し込み時に間違わないよう、注意してください。また、旧試験制度の合格保留者が新試験制度の一次試験を申し込んだ場合、旧試験制度の合格保留は取り消しとなります。詳しくは、今後掲載する「上級医療情報技師能力検定試験 試験実施概要」をご確認ください。

合格者の発表

★★ お知らせ ★★
合格者の方は、結果がお手元に届きましたら
氏名公表の可否と認定手続き2018年2月16日(金)までに行ってください。
(上級医療情報技師認定者になるためには認定手続きが必要です)

第11回二次試験合否判定結果通知は、2018年2月5日(月)に発送しました。
1週間経っても届かない場合には、事務局までお問い合わせください。

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