2016年5月13日制定

 日本医療情報学会会員は、医療情報分野における学術研究を推進するとともに、医療の実践と直接的に結びつく活動を行っている。そのため、研究・実務の両面において機微性の高い情報を取り扱うことが多い。また、組織運営や地域医療に直結したシステムに関与する機会が多く、その研究成果や実務が所属する組織や社会全体へ及ぼす影響が大きい。このような背景を踏まえ、本学会員は、その活動に関連して適用される法令等はもちろんのこと、倫理規範の基本として本倫理綱領を遵守し、医療情報学が広く社会に貢献するよう力を注いでいく。

1.(個人の権利の尊重)

 本学会員は、プライバシー権や知的財産権をはじめとする個人の権利と人格を尊重し、秘匿性の高い情報を扱うことを常に意識して、公正かつ誠実に情報を取り扱う。

2.(コンプライアンス)

 本学会員は、関連する法令やガイドラインはもちろんのこと、組織が定める規則を遵守し、適切に行動する。

3.(自己研鑽)

 本学会員は、技術の進歩に対して敏感であるとともに、自らの専門知識や能力の向上に努め、技術を適切に活用し、保健医療福祉の向上に資するよう最善を尽くす。

4.(業務における責務)

 本学会員は、情報システムによって影響を受ける範囲や内容を十分に認識し、システムを利用する組織・利用者の利益となるよう尽力する。

5.(知識・技術の継承と普及)

 本学会員は、後進への指導と教育に努めるとともに、公正な医療情報の取り扱いについて啓発し、適切な医療情報技術の普及に努める。

6.(善行の原則)

 本学会員は、患者や住民など、システムによって影響を受けるすべての者にとって最大限の利益となるよう最善を尽くす。

7.(研究姿勢)

 本学会員は、事実を尊重して研究を行い、信頼される成果の公表を通じて広く社会に貢献するよう努める。

 

 なお、本綱領は、技術の進歩や社会情勢の変化に応じて、適宜改定する。